保活の絶対要件「指数」について解説!

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保活を始めるとすぐに「指数」という単語に出会うかと思います。
最初は聞き慣れない単語ですが、指数は保活の基本と言っても良い程、保活と切っても切れない、絶対要件です。

この指数とは何か、注意事項などを解説します。

なお、この記事では基本的に杉並区のケースを想定しています。

自治体によって制度は異なりますし、同じ自治体でも制度は毎年少しずつ変更されます。
また、ご自身の状況により判断が分かれる場合もありますので、必ずご自分の自治体の最新の利用案内をご確認いただいた上で、自治体の窓口にご相談いただき、ご自身で最終判断をするようにしてください。

「指数」は保育園への「入りやすさ」

保育園は、保育を必要とする人が子どもを預けるための施設です。

保育を必要とする程度は人によって違いますが、その基準を自治体が設け、それに照らし合わせて、より保育が必要な人から、保育園の内定を出す仕組みになっています。

従って、この指数が高い人程、保育園に入りやすいことになります。

指数は「基準指数+調整指数」

自治体にもよるのですが、指数には基準指数と調整指数があります。

この2つの指数を合算した点数が高い点数の世帯順に保育園が内定します。

指数のイメージ

基準指数は夫婦それぞれで算出し、調整指数は世帯で計算されます。

基準指数はどの程度、保育を必要としている世帯か

保育を必要とする理由としては次のようなものを自治体が定めています。

  1. 就労(週○日、○時間の勤務)
  2. 求職(週○日、○時間の勤務予定)
  3. 離婚・死亡
  4. 妊娠・出産
  5. 疾病・負傷・障害
  6. 看護(介護)(週○日の付添が必要)
  7. 災害
  8. 就学・職業訓練(○時間/月)
  9. その他

一番多いのは1.の就労かと思いますが、どのくらい働いているかによって基準指数に差が設けられています。

フルタイム勤務で満点

中にはフルタイムで働きつつ、毎月残業を月〇時間行い、月100時間ぐらい常に働いている!という方もいらっしゃると思いますが、自治体では法定労働時間を超えたケースは想定しません。

1日8時間・週5日が最高となり、残業時間は考慮せず、フルタイム勤務であれば満点となります。

時短勤務は1日4時間以上&勤務日数を減らさなければフルタイム扱い

出産後は時短勤務で復職される方も多いと思いますが、本来フルタイムでの就労契約を会社の制度により時短にしている、という扱いとなり、下表の16点ではなく、20点の満点扱いとなります。

ただし、1日4時間以上の勤務で、勤務日数を減らさないことが条件となります。

勤務日数を減らしてしまうと、その勤務日数に応じた指数となります。

杉並区「令和6年度 保育施設利用のご案内」P.24

調整指数は家庭の状況により、世帯ごとに加点/減点

調整指数は家庭の状況を加味し、世帯ごとに加点/減点される点数です。

かなり細かく状況が想定されており、かつ毎年少しずつ変更されているので、利用案内をよく読み、内容を理解する必要があります。

もし、記載されている内容の具体的なケースが想定できない場合は、区役所の窓口で相談してみると、詳しく教えてもらえます。

例)きょうだいで同じ園に入園させたい

一口にきょうだい同じ園ン遊園させたいという場合でも、4つのケースが想定されています。
ただし、これらの調整指数は4月入園にのみ適用されます。

など、状況も4パターン、適用する時期も4月入園のみ、など色々と落とし穴がありますので注意が必要です。

杉並区「令和6年度 保育施設利用のご案内」P.26

双子以上のお子さんをみんな同じ園に入園させたい

同じ月齢・年齢である双子以上のお子さんのケースです。

記入した全ての園において、+1点の加点があります。

きょうだいが以前に通っていない園に申し込む

きょうだいが既に保育園に通っていても通っていなくても、きょうだい全員が同じ園に通うべく、利用したことのない保育園に申し込むケースです。

この場合、+2点の加点があります。

ただし、きょうだいが既に保育園に通っていて、転園を含む場合は希望順位に条件がある場合がありますので、注意が必要です。

きょうだいが通っている園に申し込む

以前からきょうだいが通っている保育園に入園したい場合は、その園を第一希望とした場合に限り、+3点の加点があります。

きょうだいが通っている園に転園したい

以前から他の保育園に通っているが、きょうだいが通っている保育園に転園したい場合、第一希望とした場合に限り、+3点の加点があります。

★注意★申込時の指数を「維持する」必要がある

私が強く注意を促したいのは、

★指数の注意★

申込時の指数を通園中、維持する必要がある

保育園への入園の可能性を上げるために、指数を高くしたい
そのためにできることは、仕事時間を多くすること

と考えて無理にお仕事を増やすケースがあります。

フルタイム勤務とした場合、申込時は20点の指数となるので、それ以下の指数の方よりは有利です。
しかし、それは同時に、保育園に通っている間は「フルタイム以外の働き方は選択できない」ということです。

指数が低い=働き方(働く時間数)が選びやすい

例えば、正社員でフルタイム(時短勤務)で働いていたけど、お仕事を辞めてフリーランスで少し時間を絞って働くことになった場合、
通っている保育園は退園し、改めて今のお仕事状況の指数で入園を申し込まなければいけません。

杉並区では、月48時間以上(週12時間×4週)の就労で認可保育園に申し込むことができます。

これはつまり、月48時間の仕事の場合の指数である8点で入園が決まれば、月48時間以上働いてさえいれば良い、ということになります。
少しお仕事を増やしたり、月48時間以上を守ってまた少し減らしたり、ということも可能です。

あくまで「申込時」の指数を下回らなければ良いのです。

指数が低いということは、働き方(働く時間数)を選びやすいということなのです。

無理な指数引き上げはしないで

子どもがいると、色んなことが自分の思い通りにいきません。
何が思い通りにいかないか、想定することさえできないこともあります。

杉並区では保育園の整備が進み、近年は申込者全員が内定する保育園も増えてきました。
どうか無理な指数引き上げをせずに入園できる保育園を探してほしいと思います。

指数・入園・通園に関するよくあるQ&A

認可外に通っていたら加点される?

加点されません。

以前は認可外に一定期間通っていると調整指数が与えられたのですが、保育園の整備が進み、指数引き上げを意図した転園で子どもへの負担をかけることを避けるため、こうした加点はなくなりました。

求職中でも申し込める?

申込時点で求職中でも申し込むことができます。
その場合の基準指数は7点となります。

ただし、入園後、3ヶ月以内に就労を開始し、就労証明書を提出することが通園し続けるための条件となります。

仕事を辞めた場合は退園になる?

仕事を辞めた当月中に退園となります。

保育園は「保育を必要とする人」のための施設であり、仕事を辞めると「保育が必要な状況」ではなくなるため、仕事を辞めた月から退園となります。

ただし状況により、退園時期を引き延ばしたり、退園を免れることもあるようですので、早めに区役所に相談してください。

間を空けて転職は可能?

間を空けて転職した場合は退園となります。

中には退職時に有給が残っておらず、一旦会社を辞めて少し休んでリフレッシュしてから新しい会社でお仕事開始したいという方もいらっしゃるかもしれませんが、就労期間にブランクがある場合は退園となります。

フリーランスで仕事が安定しないのですが?

就労状況は申込月から直近3ヶ月の就労状況で判断します。

しかし、フリーランスの方はお仕事にバラつきがある場合もあるかと思います。
そうした場合、年間にならすと大体どれくらいか、というのを総合的に判断したりします。

なお、直近3ヶ月で160時間のお仕事をしていても、今後、お仕事の増減が考えられる場合は「月120時間」とし、ご自身で指数を低めに申告しておくことは可能です。
(現状より低い指数にしたい場合は自己申告できます。)

また、時間給でない場合は、

時間給でない場合の就労時間の算出方法

収入金額÷東京都の最低賃金

で就労時間を算出します。

フリーランスの方はケースバイケースということが多いですので、窓口でご相談ください。

育休を延長したいのですが…

会社としっかりコミュニケーションが取れている場合は、当初予定していた育休を延長するために、「不承諾通知」を意図して受け取ることも可能です。

その場合、保育園を申し込む際に一緒に提出する「育児休業確認書」の項番7.で「ア」を選択すると、指数に-20点が加味されます。

育児休業確認書

※育休延長には、保育園に申し込んだが入園できなかった旨の証明が必要です。書類としては自治体が発行する保育園に内定しなかった旨の「不承諾通知」(書類名は自治体による)となります。

制度は毎年変わる・利用案内をよく読み、窓口に相談を

保育園の整備状況や待機児童の状況などにより、保育園への入りやすさ・そのための指数制度は毎年変わります。

それぞれの状況は千差万別です。

最新の利用案内をよく読んでいただくことが必要です。
ただし、かなりややこしく、条件が色々設定されていることもよくあります。

少しでも不明な点があったり、自分の理解が正しいか確かめるために、積極的に自治体の窓口に相談し、ご自身で最終判断を行うようにしてください。
丁寧に教えてもらえます。

ぜひ、指数の仕組み・制度を理解し、保活を乗り越えていただきたいです。
心から応援しています。

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